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2013

Continuous Damage Monitoring of CFRP using Fiber Bragg Grating: in Stitched Laminate Material and Thin Composite Structure with Stiffness Mismatch

(Agus Trilaksono、博士論文)

薄い空気層の影響を受ける超軽量板の振動特性

 近年,益々大型化,軽量化されている太陽電池パネルは,打ち上げ時に折りたたんで収納されることが多い. これらの構造体は,打ち上げ時にエンジンの振動に際し,パネル間に挟まれた空気層から大きな影響を受ける. そのため,打ち上げ後に姿勢制御系と連成することがないよう,固有振動数の正確な把握が必要となる. しかしながら,パネルは非常に軽量であるため,周囲の空気の影響を受け,固有振・ョ数が変化することが知られている. 空気の流れ等の流体領域に対する解析手法には,差分法等が挙げられるが,本解析では流体/構造連成系の固有値を計算するために有限要素法(FEM)を使用する. 流体領域におけるFEMの適用は,要素数の増加に伴い計算コストが増加してしまうが,FEMと差分法の解析結果には,大きな差がないことが報告されており,FEMを用いて梁周りの微細な流れを精度よく解析することができると考えられる. 本研究は,アルミハニカムサンドイッチ材を供試材としてFEMを用いた流体/構造連成解析および振動実験装置の開発および試験を実施し,解析および実験面から振動特性を定量化することを目的とする.

(大石陽介、修士論文)

Ilyushinの降伏条件を用いた圧延ロール出側鋼板形状の解析

(植木元紀、卒業論文)

低コスト成形法によるCFRP複合体の力学特性評価

(八木孝仁、卒業論文)

4点曲げ試験による縫合複合材曲面板の力学特性評価

(吉田拓矢、卒業論文)

2002

超耐熱CMC構造の熱弾性特性に関する基礎研究

現在,21世紀の工業計画として,航空宇宙分野では超音速機,スペースプレーンが,エネルギー分野では高効率ガスタービン,石炭ガス化発電,核融合などが挙げられている.これらは極めて厳しい温度環境下で使用されるので,これらを実現するためには,耐熱性や耐摩耗性,耐衝撃性,高比強度,高比剛性,耐酸化性など既存材料では実現不可能な要求性能を満足する材料および構造が必要不可欠とされている.そこで候補材料の一つとしてCMC(Ceramic Matrix Composite)が挙げられている.しかしながら構造体の研究例は大変少なく,工業的利用も現在極めて限定的なものである.本研究の目的は

(1)CMC構造の熱弾性特性に関する基礎データの取得とその実験手法の妥当性検証.
(2)構造体としての熱伝導および熱応力の解明と主構造との機械的・熱的結合法の妥当性検証.
(3)CMCを耐熱構造としての実用化するため,その解析手法の妥当性検証.
(木村 良成、修士論文)

Si-Ti-C-O繊維/Si-Ti-C-O基複合材料の負荷方向による損傷特性の比較

再使用型の宇宙往復機の実現に不可欠な要素技術の一つに,大気圏再突入時の空力加熱から機体を保護する耐熱材料が挙げられる.そこで優れた耐熱・ォ・耐酸化性を有する長繊維強化型のセラミックス基複合材料(CMC:Ceramica Matrix Composite)が注目されている.CMCの力学的特徴として,その応力-ひずみの非線形性が挙げられる.その主な要因はマトリックスクラック,繊維の引き抜き現象,層間剥離,繊維の断続的な破断等の材料内部の微視破壊現象である。CMCの実用化には,これらの影響を考慮した材料の剛性・強度予測が必要となる.本研究ではCMCに対してoff-axis引張/圧縮試験,Iosipescuせん断試験を行い,様々な負荷方向における材料の損傷を,主に応力-ひずみ挙動に注目して考察を行なう.次に,それらの結果を連続体損傷力学モデルに適用し,モデルのパラメータ決定を行なう.
(白石 卓也、修士論文)

Damage Development Analysis of 3D-Orthogonal Interlocked Fabric Composite

繊維強化型複合材料は今日,飛躍的にその使用が増加してきている.比強度・比剛性が高いという性質から,金属に変わる構造部材として重量が性能やコストに直接影響する輸送機,特に航空機の分野で注目されている.しかし,そういった構造材料に用いられている CFRPの多くは薄いプリプレグを重ね合わせて製造される積層型複合材料であり,この材料の問題点としてCAI強度が極端に低いという性質がある.その改善策の一つとして考えられるのが板厚方向に繊維を配向させた三次元複合材料である.本研究の目的は,炭素繊維とエポキシを構成材料とした三次元直交織り複合材料の損傷過程を調べるために損傷進展解析を,節点分離法を含めた二つの手法を用いて行なう.面内方向に単軸引張荷重をかけたときに生じる複合材料の損傷の発生,進展の様子を調べる.特に,その損傷として負荷の初期に現れる損傷モードである面内繊維束の縦割れクラック(トランスバースクラック)に焦点を当て・Cその発生および進展を解析によって模擬する.
(美林 英樹、修士論文)

“しわ”と“接触”を考慮したゴム膜と流体の非線形連成動的解析

ゴム膜と流体からなるシステムは,その構造的および経済的な利点により様々な分野で用いられている.航空宇宙分野では3軸制御衛星のブラダ型燃料タンクが代表的である.しかし,実際にそれらを用いるためには設計段階でその静的および動的な特性の把握が必要である.そこで本研究ではこれまでゴム膜の材料非線形性・大変形および構造/流体境界の大変形の影響を考慮した解析を行い,この系の時間領域および周波数領域における特性を調べてきた.しかし,ゴム膜は非常に微小な圧縮剛性を持つために,圧縮応力が働くとすぐに“しわ”が発生する.また,ゴム膜は大変形を生じるので,ゴム膜に近接する構造物との衝突問題も考えなくてはならない.また,膜/流体連成問題に“しわ”および“接触”を考慮した研究はこれまで行なわれておらず,研究的に重要な問題である.以上より本研究の目的として@ゴム膜/流体連成問題に適用できる“しわ”および“接触”アルゴリズムの構築,Aゴム膜/流体連成問題に“しわ”および“接触”を考慮し,その影響を調べる.
(山下 泰典、修士論文)

粘着層付き薄膜のせん断力特性についてのモデル化に関する研究

1990年に宇宙科学研究所により打ち上げられた工学試験衛星MUSES-Aの構造モデルの振動試験において,共振が発生し衛星バッテリーパネルの面内振動加速度が設計基準を超えるという問題が発生した.そこで,バッテリーパネルとボルト結合部において,わずか1gのカプトンテープを貼ることにより滑りを発生させ,共振倍率が1/10に下がるという効果が得られた.この事から,テープを用いた制振対策が面内方向の振動に対して有効であることが分かり,その後の研究によりテープを用いた制振機構はテープ表面のクーロン摩擦のみではなく粘着層内部のエネルギー散逸にも依存することなども分かってきた.
そこで本研究では,これまでの実験で得られたテープの特性からそれらをモデル化することを目的とする.
(井沢 将太、卒業論文)

シェル構造の静的・動的解析におけるIlyushinの降伏条件適用に関する基礎研究

近年,世界の旅客輸送機の運航便数は増加する一方,単位運航便数あたりの事故発生率は1970年以降ほとんど改善されていない.そのため,耐衝撃性能の高い客室構造の開発が進められている.この開発において,実機による衝突実験を行ないデータを蓄積する一方,計算機による解析を行い,最適構造を探る必要がある.しかし,その際に問題となるのは衝突解析における膨大な計算量である.そのために計算精度が良く計算量が軽減できる解析手法が求められている.
そこで本研究では,計算量が軽減できると考えられるIlyushinの降伏条件を解析に適用する方法を検討してみる.
(角野 恵裕、卒業論文)

薄い空気層と平板の・A成系に対する固有振動解析

衛星に取り付けられた太陽電池パネルは衛星の大型化に伴い、,折りたたまれた状態でフェアリングに収納されている.その際,パネルの大きさと比べ,極めて薄い空気層がパネル間に存在する.また,パネルの構造設計時における振動試験において真空中と大気中でのパネルの固有振動数が異なるという報告例がある.これは衛星に取り付けられている太陽電池パネルが非常に軽量であるため,空気の影響を無視できないからだと考えられる.このような空気の振動モードと構造体の振動モードの相互作用により生じる振動・音響モードを扱った論文では主に空気の粘性による減衰を無視したものが多い.
本研究では粘性・非圧縮性空気と平板連成系の固有振動数の空気層厚さに対する依存性について調べる.この際,粘性空気の場合と非粘性空気の場合とを比較しながら粘性の影響について考察する.
(北村 光章、卒業論文)

2001

Eigenmode Analysis for Coupled Air-Plate system accounting for viscous damping

今や我々が社会生活を送る上で不可欠な存在となっている人工衛星は,その開発に際してあらゆる構造上の制限および機能的・環境的な要求が課せられている.例えば人工衛星の大型化に伴い展開アンテナや太陽電池パネルは折り畳まれた状態でロケットに収納されるため,非常に狭い間隔で多層のパネルが設置されるコンフィギュレーションとなっている.また,軽量化・高剛性化要求に伴って,パネル自体の比剛性は極端に高く設定されている.このようなコンフィギュレーションでは,打ち上げの際,パネル間に存在する薄い空気層によりパネル自身の固有振動数は大きな影響を受けるため,その正確な予測が必要となっている.しかし,こういった空気の振動モード・ニ構造体の振動モードの相互作用により生じる振動―音響モード (vibro-acoustic modes)を扱った論文では主に空気の粘性による減衰を無視したものが多く,振動―音響モードに対する一般的な手法を示したものは少ない.

本研究では構造体の振動モードに及ぼす空気の粘性の影響に注目し,有限要素法に基づく振動―音響連成系の固有振動解析を行う.また,音圧・流速分布からその物理的な妥当性を検証し,連成系の複雑な挙動を知るてがかりとする.
(佐々木衛、修士論文)

Ilyusinの降伏条件を用いた衝突解析に関する基礎研究

航空機が事故等により落下した場合,搭乗者の生存率を向上させるためには,まず衝撃荷重を人体が容認できるレベルまで抑制する必要がある.そのためには航空機胴体が乗客や燃料系を防護する構体として設計されることが望ましい.しかし現在航空機の強度設計においては,客室の座席構造の動的試験基準があるのみで,胴体構造の衝撃吸収を定めた明確な基準はなく,その設計における比重も軽量要求に比べて小さいのが現状である.今後,人体への衝撃を緩和できる航空機客席構造,特に胴体床下構造が重要となると考えられる.設計にあたり耐衝撃性を確認するために必要な解析方法はいろいろ検討されてはいるものの,未だ試行錯誤の段階である.短時間の過渡的な応答を対象とする動的解析は計算負荷が非常に高いため,計算負荷が軽く精度のよい解析方法が不可欠である.本研究では殻理論にのっとり,Ilyushinの降伏条件を用いて,厚さ方向の積分を省くことにより計算負荷の低減を図るための基礎研究を行った.
(牧野順、修士論文)

CFRP表皮の熱座屈に対するサンドイッチ板形状と接着シートの影響

ハニカムサンドイッチ板は軽量・高剛性部材として宇宙用軽量構造として多用されてきた.近年,さらなる軽量化の要求から,コアの高さの高いAlハニカムコア,表皮に極めて薄いAl板かCFRP積層板が広く使用されている.表皮とコアの接着は,両方の間にシート型接着剤を挟み,120℃から150℃の温度で接着し,常温まで降下させて行う.このため,表皮を薄くしていくと,CFRPの場合は熱膨張係数の違いにより表皮とコアの周期と一致する細かい熱座屈(ディンプルと呼ばれる)が生じる.ディンプルが発生すると,強度・剛性が大幅に低下し大きな問題となる.

本研究室では,これまでディンプルにつ・「ての解析を行ってきたが,解析値は実験値を必ずしも模擬しているとは言えない.原因はいろいろ考えられるが,今回は次の2項目について考察した.

T) ディンプル深さに対する接着シートの熱収縮の効果(表皮・コアともにAlの試験片).
U) 試験データの端部の影響を補正した実験値と解析値の比較(表皮CFRP,コアAlの試験片).
(桑原秋津、修士論文)

三次元複合材の損傷進展および強度解析

面内に加えて面外方向にも繊維が配向された三次元織物複合材料は,積層型複合材料に比べ,・サの層間破壊靭性,CAI強度等に対して優れた特性を有することで注目されている.

三次元複合材は研究・開発が活発に行われているがその大部分は初期剛性や破断強度についてのものであり,破断にいたるまでの損傷進展を段階的に追ったものは多くはない.そこで本研究は三次元複合材の剛性・損傷進展及び強度解析を行う.
(阪井祐樹、卒業論文)

粘着層付き薄膜のせん断力特性に関する実験的研究

1990年に宇宙科学研究所により打ち上げられた工学試験衛星MUSES-Aの構造モデルの振動試験において,共振が発生し,衛星バッテリーパネルの面内振動加速度が設計基準を超えるという問題が発生した.そこで,テープ表面での滑りを許容させるという狙いからこのバッテリーパネル部において(1)ボルト穴の直径を大きくする.(2)バッテリーパネルとボルト結合部にカプトンテープを貼る.(3)ボルトの締め付けトルクを弱める.という対策を施したところ,わずか1gの重量増加で共振倍率が1/10以下の約2.4に下がるという顕著な効果が得られた.このことから,テープを用いた制振対策が面内方向の振動に対して有効であることがわかり,その後の研究によりテープを用いた制振機構はテープ表面のクーロン摩擦のみではなく粘着層内部のエネルギ散逸にも依存することなども分かってきた.しかし,テープの基本特性が不明であるため,モデルの構築が困難となっている.

そこで,本研究では準静的引張り試験を行いテープの準静的特性を把握する.これによって,各パラメータとせん断力特性との関係を明らかにすることを本研究の目的とする.
(高橋巧、卒業論文)

三次元複合材のZ糸近傍における変形および破壊解析

近年,繊維強化複合材の重要性はますます高まっており,航空宇宙分野から日・ッIな分野まで幅広く様々なところで利用されている.しかし,それらの多くが積層材(二次元複合材)であり,面内の特性(剛性,強度)には優れているものの,層間の剥離進展に対しては大変弱く衝撃などによって生じた小さな亀裂からでも層間剥離を引き起こしやすいという欠点がある.このため,剥離強さを示す指標である破壊靱性地を高めるという目的で,厚さ方向にも繊維を織り込んだ三次元織複合材が開発されている.これまでの研究では,厚さ方向繊維を0.5%程度織り込むことで破壊靭性値が二次元複合材に比べて数十倍高い値になることが分かっ・トいる.また,三次元織複合材においてはz糸の弾性ひずみエネルギー,エポキシの塑性変形による散逸エネルギー,およびz糸と面内層との摩擦による散逸エネルギーは破壊靱性値などの値に対して大きな影響を与えることが指摘されている.そのため,こういったz糸及び面内層のミクロな挙動を考慮した解析が必要となっている.

本研究では,z糸の折り返されている部分を微視的に解析することで,z糸及びエポキシの破壊・変形挙動,及び摩擦挙動を模擬し,z糸近傍で生じる破壊が破壊靭性値にどのような影響を与えるかを検証する.また,実験データとの比較により本解析モデルの物理的な妥当性を評価する.
(田中健吾、卒業論文)

内圧を受ける部分球形殻の弾塑性大変形解析

渡辺らによって内圧を受ける円板及び部分球形殻についての実験及び解析が行われた.微小変形理論を用いて弾完全塑性体を仮定した解析では,弾性領域および塑性領域初期では実験の測定値と解析値がよく一致しているが,圧力が大きくなり,試験片の変形が大きくなると実験結果と解析結果との差が大きくなる.そこで本研究では,軸対称シェル要素及びソリッド要素を用い,大変形と加工硬化の影響を考慮して解析を行い, 実験結果と比較,検討する.
(中川真一、卒業論文)

2000

Trial in Applying FW Technique to Joint of Solid-Propellant Rocket Motor Case

フィラメントワインディング(FW)製固体ロケットモーターケースはその軽量性、高い生産性により、近年上段用の比較的小型のケースに用いられる傾向にある。しかし、下段用の大型モーターケースは複数のセグメントに分割されることが多く、繊維の巻き付けパターンや結合部に発生する応力集中などの問題からFW法で成形された事はな・「。そこで本研究ではFW法によるセグメント結合部を提案し、その妥当性を検討する。…
(手塚隆、修士論文)

DCB Test and Analysis of 3-D Composites and Stitched Laminates

二次元複合材料は、層間強度を示す層間破壊靱性値の著しい低さが欠点となっているが、これを改善する方法に、三次元直交織や、あらかじめ積層された強化材に工業用ミシンで層間強化糸を通す縫合がある。本研究では近年開発された新しいタイプの3-D複合材についてDCB(Double Cantilever Beam)試験を行い、層間破壊靱性値を調べた。さらに、本試験と、縫合された積層板のDCB試験結果のFEMシミュレーションを行い、破壊機構の考察を行った。…
(西井直史、修士論文)

ねじり試験による三次元織物セラミックス基複合材料の面外剪断剛性の推定

…X方向の応力歪み挙動は伊藤らの研究によって、実験と解析から三次元織物CMCの破壊機構と、それを支配する現象の理解することにより説明出来るようになってきた。しかし、微視的破壊による剪断剛性の低下については、解析により推定されているものの、実験による確認はされていない。そこでねじり試験によって剪断剛性Gxy, Gzxを推定する方法を確立し、得られたGxyを±45°方向引張り試験によるGxyの測定結果と比較し、その妥当性を示すことを本研究の目的とする。また、均質化法を用いて直交三次元織複合材の弾性定数を計算し、実験による結果と比較する。…
(白石卓也、卒業論文)

三次元斜交繊維強化複合材料の層間剥離進展解析

現在、使用されている炭素繊維強化複合材料(CFRP)は積層板がほとんどである。しかし積層板はクラックが進展しやすく、層間破壊靱性を強化させることが考えられている。本研究ではZ糸にT-900、面内層にCFRPを用いた図1のような三次元斜交繊維強化複合材料について解析を行った。…
(白木優平、卒業論文)

ゴム膜/流体連成問題における非線形振動特性解析

ゴム膜/流体連成問題は航空、海洋、土木など様々な工学分野において広く応用されている。例えば、3軸衛星のブラダ型燃料タンクもその一つであるが、低剛性材料であるゴム膜は外乱により容易に大変形を生じてしまうため、その解析には幾つかの非線形性を考慮しなければならない。従来、大変形連成問題に対する解析手法としては(a)静的解析、および(b)構造と流体のいずれか一方を簡易化した動的解析が主に用いられている。後者において流体を簡易化した場合の解析として川上らは、流体の大変形の影響を考慮するためにArbitary Lagrangian-Eluerian(ALE)有限要素法を適用して時刻歴応答解析を行い、幾つかの解析例を示している。本研究では、川上らと同様に ALE有限要素法を適用して周波数応答解析を行い、ゴム膜/流体連成系に現れる非線形な周波数特性について考察する。…
(山下泰典、卒業論文)

1999

三次元織Si-Ti-C-O繊維/PIP複合材料の微視的破壊と非線形特性

…セラミックス基複合材料では、最終破断前にマトリクス及び繊維に微視的破壊が生じ、これが非線型応力−歪み挙動を示す原因となっている。この非線型挙動は、一方向材及びクロスプライの物については、報告されているが、三次元織物での検討はほとんどなされていない。そこで、本研究では、直交三次元織物セラミックス基複合材料に対して、常温での負荷−除荷引張り試験と微視的破壊の観察を行い、非線型挙動を支配する現象の把握と、既存の解析モデルを組み合わせて、応力−歪み線図の推定を行った。また、高温でのクリープ試験及び引張り試験、また、4点曲げ試験を行い、本CMCの非線型特性について、基礎的データの取得と非線型挙動について検討も行った。…
(伊藤宏、修士論文)

CF/Epoxy二次元平織複合材の応力・強度解析

現在航空宇宙分野において比強度、比弾性に優れた繊維強化複合材料は従来積層板という形で用いられることが多かったが、積層板には二つの大きな問題点がある。ひとつはプリプレグが繊維の方向に割れやすく、取扱が難しい点であり、もう一つは、積層板の衝撃に対する層間破壊靭性が低いことである。この二つの問題点を解決するために織物複合材料を使うことが考えられている。三次元織物複合材料は最終の製品の形状にあった立体形状を直接に作ることによって、繊維の特徴を最大限に利用することができる。しかしコスト面から一般的ではなく、二次元織物複合材料が用いられること多い。本研究では文献1)で剛性が解析された二次元平織複合材について製造時の残留応力を考慮した応力分布を求め、最終は断強度の評価を行う。…
(大島智之、卒業論文)

滑りと粘弾性を用いる薄膜制振機構の応答解析

1990年に打ち上げられた、宇宙科学研究所の工学試験衛星MUSES-Aの振動試験において、バッテリーパネルが面内方向に大きく共振をした。その対策として、バッテリーパネルと本体のボルト結合部分にポリイミドテープを貼り、共振倍率を低下させた。この対策による重量増加は1g程度であった。しかし、制振効果の詳しいメカニズムは不明であった。このため、本制振機構の特性を調べるために、剪断力と剪断歪みの関係を調べる実験1と、応答倍率の低下と共振点の移動の大きさを調べる実験2が行われた。実験1,2を元に、数学モデルが作られ、本制振機構の特性を示すことができた・Bしかし、モデルによりパラメータが異なり、不安定な挙動を示すことがあった。本研究では、この2点の改良を目的とする。…
(桑原秋津、卒業論文)

ハニカムサンドイッチ板表皮の熱座屈に対する接着層の影響

…ハニカムサンドイッチ板のコアの部分と表皮とを接着するのに不可欠な接着層の効果に関する研究はほとんどなされておらず、エポキシ樹脂の材料定数を用いていた。今回湘南工科大学で製作、測定してもらった結果において、接着層の厚さがディンプルの深さに大きく影響することがわかり、比較が可能となったため、本研究においては接着層の特性、及び熱座屈への影響を解析の立場から明らかにすることを目的とする。またレティキュレーションを模擬したモデル、高剛性プリプレグPM-70を用いたモデルへの適用も考える。…
(牧野順、卒業論文)

三次元複合材料の圧縮試験及び強度・剛性解析

本研究では、図1に示す繊維構造を持つCF/Epoxy三次元複合材料の圧縮破壊試験を行い、その剛性、強度を調べる。この材料についてはすでにDCB試験が行われていて、他の三次元複合材料と比較しても層間破壊靭性が高いことが知られている。また、この試験片の解析モデル(ベースセル)を作成し均質化法を用いた有限要素法により解析を行い、その強度・剛性を試験結果と比較する。…
(美林英樹、卒業論文)

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