北薗研究室

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研究内容

 航空機、ロケット、衛星の性能向上の鍵は材料が握っていますが、材料が原因で様々な事故も起こっています。今後、性能向上と信頼性向上を両立させることが非常に重要となってきます。本研究室の主な研究テーマは、衝撃吸収性に 優れたポーラス金属の開発であり、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛を用いた発泡法によりポーラス金属を作製・評価しています。

中空金属球
Metallic Hollow Sphere

マグネシウム合金製中空金属球の作成に成功しました(世界初)。多数を積層させることにより、軽量な構造部材として使用できます。

超塑性成形
Superplastic Forming

アルミニウム合金板に圧力を加えると、半球状に成形することができます。この技術は衛星用燃料タンクに応用されています。

発泡金属コアの
サンドイッチパネル
超塑性拡散接合により、セル構造を破壊することなく、発泡金属をコアとするサンドイッチ構造を作製しました。


また、最近は、3D積層造形法を積極的に作製プロセスに取り入れ、3D-CADによるセル構造の設計、有限要素法による大変形解析を行っています。そして、今後は衝撃吸収部材に対する研究成果を自動車などの輸送機器用へ応用したいと考えています。

本研究室の特色として以下の2つが挙げられます。
1. 3D-Voronoi分割法
Voronoi分割とは平面上の任意の位置に母点 を配置し,それぞれの母点の垂直2等分線により領域分割す る手法である。それに対して、3D-Voronoi分割法はそれを3次元に拡張したものです。初期母点の配置により、設計されるセル構造はさまざまであり、不規則に配置すると不規則セル構造体や傾斜セル構造体も設計ができます。Voronoi分割はさまざまな最適化手法が存在するため、今後は母点配置の最適化問題に取り 組む予定です。

3D-Voronoi分割によるbcc,fcc,hcp格子からのユニット セルの生成
初期配置がbcc格子であれば切頂八面体(Kelvin14面体)セル,fcc格子であれば菱形 十二面体セル,hcp格子であれば菱形台形十二面体セルとな ります。


2.宇宙機用衝撃吸収材料
ポーラス金属の応用先として宇宙機用衝撃吸収材料を取り扱っています。探査機が搭載する観測機器やローバを着陸時の衝撃から保護しつつ,探査機を無事に目的地に着陸させることは,プ ロジェクト成功に非常に重要です。着陸脚用衝撃吸収材料を 設計する場合,単にプラトー応力や吸収エネルギーが高い ポーラス材料を選択すればよいというわけではなく,着陸速度,着陸方向,許容加速度,着陸脚に収まる体積,制限重量, 着陸脚の熱環境,脚との接合,製造コスト,といったさまざ まな条件を考えなければなりません。

3D積層造形で作製された着陸脚用ポーラスアルミニウム衝撃吸収材
月面へのピンポイント着陸を目的とした小型月着陸実証機(SLIM)に は,当研究室で開発した3D積層造形ポーラスアルミニウム衝撃吸収材が使用されているので,SLIMプロジェク トの成功を期待しています。


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